愛(自転)車を待つ

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何週間かあったある日、路上で彼に一枚の写真を渡された
そこには見覚えあるシルエット
すぐにそれと分かった 私の愛車だ

”愛車” は一般的には乗り始めて愛着をもって
初めて使える呼び名だろう
でも今回はちょっと違う
これから会うことになる自転車に私はすでに
愛着を感じている

うちの仕事場は元倉庫
一階の貸駐車場の奥に一台、古い自転車が放置されていた
その頃ちょうど、自転車が欲しかったが欲しいものがなくて探していた
どこかかわいくシックな出で立ちに、最初は直して乗ろうかと
言っていたが、身内に無理だと言われてあきらめた
それほどぼろぼろだった、うちの仕事場と同い年くらいかもしれない
そのうち、いつも目の前を通るサガワのお兄ちゃんが
「この自転車、譲っていただけませんか?」と聞いて来た
誰のか分からないから、と言うとあきらめた様子だった
それで気付いた
毎日通るそのおにいちゃんが、うちの前を通る時いつも
進行方向と直角に首を曲げてこっちを見ながら駆け抜けていることを...
下にある自転車を見つめつつ通っているのだった

聞けば、昔ながらの味のある古自転車を見付けては整備していて
家には何十台も、そんな彼のお宝が並んでいるらしい

結局私達はオーナーさんやご近所さんに聞いて
自転車を譲れる手はずを整えた
だって、いっつも首を90°に曲げて通られたら
気になって仕様がない...
「乗れる様になったら、よかったらあげますよ、乗って下さい」彼は私に笑って言った

さびついた部品をオイルに漬け込み、磨いて戻す磨いて戻す
それを繰り返す
壊れた部品は、ストックから補充する
もしかしたら直しきれなくて、私の手元にはこないかもしれない
でも私は待ってみることにしている
乗った事もない愛車に乗る日を、心からたのしみにしている
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by omie-L | 2009-06-08 17:40 | つれづれ


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